毛皮のマリーズ1st Mini AlbumFaust C.D.

  • 毛皮のマリーズ「Faust C.D.」

2008/5/14 (wed) release

    • CD

    DKRC-0060

    定価¥1,760(税抜定価¥1,600)

<収録曲>
01. おはようミカ
02. 人生
03. ハートブレイクマン
04. 非・生産的人間
05. ジャーニー
06. ライデイン(愛と笑いのロード)

press release

大ヒット中の2ndアルバム「マイ・ネーム・イズ・ロマンス」発売から約5ヶ月というスピードで毛皮のマリーズの新譜が早くもリリース!ドイツの文豪ゲーテの戯曲を連想させるタイトル通り、悪魔と契約を交わしたかのような戦慄のナンバーが狂い咲く狂気のミニ・アルバム!全国各地でSOLD OUTを続ける衝撃のライヴ・パフォーマンスと同様、音源においても毛皮のマリーズのもつ異形の才能が花開いた金字塔的傑作!
昨年2007年12月に、各方面からの絶賛と注目を浴びた2ndアルバム「マイ・ネーム・イズ・ロマンス」を発表し、その発売記念となったワンマンGIGも、ソールドアウトの満員御礼で観客を熱狂&発狂の渦に巻き込んだ、グレイト・ロックンロール・スウィンドルズ「毛皮のマリーズ」。クオリティーの高い楽曲を、天才的かつ恐るべき生産能力で生み出し、早くも新作が登場!2ndアルバムと同時進行で製作されながら、比較するならばその内容は、天使と悪魔、光と影、とも言える。しかし、毛皮のマリーズにこびりついた一部でもあり、疑うことなくロックンロール・ミュージックの魅力のひとつでもある、「奇形で危ない香り」が匂いたつこの作品、その名も「Faust C.D.」。悪魔に魂を売り渡したかのようなロック・ナンバーがオープニングを飾り、デトロイトmeetsシューゲイザーなノイズの洪水がたたみかけた後、切なく繊細なミディアム・フォークロックが囁きかける。そして、息もつかせぬ完全に気のふれたようなカオティック・ハードコア・チューンの洗礼!放心状態のまま壮大なスケールの美しいロック・バラッドが鳴り響き、最後には軽快にドライヴィンするロックンロール・ナンバーで夜をぶっとばす!全6曲19分11秒、悪魔のロックンロール・パラノイヤ。日々更新されるロック発想。
毛皮のマリーズの底はまだまだ見えやしない。

毛皮のマリーズ

志磨(Vo.)、越川(Gu.)、栗本(Ba.)と前任のドラマーにより2003年東京で結成。同年8月に関西ツアーを敢行、ツアー限定の自主制作盤(6曲収録)は200枚を完売。ツアー後、前任のドラマーの失踪により結成半年にしてライヴ活動の休止を余儀なくされる。
2005年、バンド経験・楽器経験のない富士山富士夫(Dr.)の加入により、バンドは前代未聞の破壊的なグルーヴを手にして、都内のライブハウスを中心に活動を再開。様々なイベントに出演するだけでなく、完全自主制作によるアルバム『毛皮のマリーズ』(CD-R、8曲収録)を完成させ、同年9月、二度目となる関西ツアーを敢行。そのツアーは各方面で話題を呼ぶ。
2006年9月20日
1stアルバム『戦争をしよう』をリリース、それに伴い初の全国ツアーを敢行。リリース直前の8月31日、東高円寺U.F.O.CLUBにて行った初の自主企画『毛皮のマリーズのベートーヴェン宣言』 (ゲスト:キングブラザーズ)では130枚の前売りチケットが即完売、当日は入りきれない客が当日券を求めて列ができる事態となる。そして、リリース以降、怒濤のライブスケジュールでライブバンドとしての不動の地位を確立。
2007年夏には青森の大型ロックフェスティバル「夏の魔物」にも急遽出演。その他ザ50回転ズとの共演や、おとぎ話とのカップリングTOUR等で全国各地で衝撃のライヴ・パフォーマンスを繰り広げ、各地で話題沸騰となる。「マリーズと対バンやりたい」という大物バンドからのオファーも続出。
2007年12月5日
2ndアルバム「マイ・ネーム・イズ・ロマンス」をリリース。盟友、おとぎ話のVo,有馬氏、ソウルフラワーユニオンの奥野氏等がゲスト参加したこの作品は、アメリカの古き良き黄金時代をモチーフにしたコンセプト的要素もある毛皮のマリーズの音楽性の奥深さも表現された作品となり、1st以上の反響を呼び、各媒体での圧倒的な評価&好セールスを記録中。発売後、新宿レッドクロスで行われたワンマンLIVEはSOLD OUTとなり、以後、各地方でのTOURも軒並みSOLD OUT状態継続中。

〈志磨遼平による ミニ・アルバム『Faust C.D.』全曲解説〉

まず、このアルバム骨組みが録音されたのは、2nd『マイ・ネーム・イズ・ロマンス』を録った数日後でした。つまり、2ndのレコーディング中に、もうこの曲達は生まれていたのです。
そして、録音のスケジュールに間に合わすため私は、三日三晩 ほとんど寝ずにアレンジ/歌詞等を完成させました。そうです、このミニアルバムは当初の予定では、2ndとほぼ同時発売を考えていたのです。つまりこのミニアルバムは2ndと対を成す作品であり、あっちが黄金のLOVEやライフを歌っているとすればこちらはその裏側の、悪魔的な感情がRECされておるワケです(なので前回のような豪華ゲスト陣も招かず、我々4人だけのシンプルな音しかこのアルバムには入っていない)去年の6~8月そう 私は「もう解散だ」とか「毛皮のマリーズなんかクソだ」などとわめき散らしていた時期です。その頃制作された楽曲、といえばまぁ、おのずと想像もつきましょう。本当のコトを言うと私はあの当時、メンバーに「次のセカンドが僕らのラスト・アルバムだ」と言っていました。惰性で続くモノほど私が忌み嫌っているモノはない。デビュー・アルバムとラスト・アルバムしか出さなかったバンド、あぁ お似合いだ、と思っていた。きっと、美しいアルバムになるだろう、と思っていた。そして、ここに収録されるコトとなったこの曲達は、越川クンや栗本、富士山さんではない別の人とプレイするんだろう、と思っていた。”ジャーニー” という曲の中で私はこう歌っている。

「さらば友よ 俺一人立ち向かう世界はスーパーNEW」

今、その歌をつつみこむ演奏はまぎれもなく越川クンのギターと栗本のベース、富士山さんのドラムだ。私は仮ミックス状態の”ジャーニー”を聴いて泣いてしまった。申し訳ない、とかの類いの後悔の涙ではないよ。よくぞ乗り越えたな俺達、という感動の涙だよ。

では1曲目から「おはようミカ」
これは我々にありそうでなかった、マイナー調のロックンロールの爆発です。村八分や”悪魔を憐れむ歌”の頃のストーンズのような、ブードゥーなロックンロール。賢明なフアンの方々は気付いておられるだろうが、私はその唱法においてチャー坊から多大な影響をうけている。この曲における中間部の猫撫で声なんかは、まさにそのままであります。ちろちろ燃え上がる炎を、モノクロで観るような感触。とでもいうような、黒く燃える決意表明の歌です。ちなみにイントロのアコースティック・ギターは私がいつも作曲用に使っている、10年モノのカセットテープレコーダーで録りました。

2曲目は「人生」
この曲は1stが出てすぐくらいの頃からあった曲。ライブでも何度もやっているので、ご存知の方も多いと思います。2ndには色が違うため、入れれなかったので、ついにこのアルバムで日の目を見る事となりました。ストゥージーズをさらにアンプリファイアしたような、わずか2分間のすさまじいノイズ・ミュージック1コードで延々と続くミニマル・ロックンロールで、まぁ”アンプリファイヤー” の続編のような曲です。ライブのオープニングにはピッタリのナンバー。ギターが6本重ねてありまして、少しずつ音像をズラし、全定位に敷き詰めノイズ版『ウォール・オブ・サウンド』を作り上げることに成功しました。まさにノイズの壁のよう。

3曲目は、ガラッと変わってバーズ調のミディアムナンバー「ハートブレイクマン」です。
なんともメロディとバッキングのもつれながら展開するコードが美しい曲。
や マジ こういうの作らせたら天才だわ 僕。また女の人になって歌ってみました。シャンソンとかポール・モーリアのイメージであります。あっ ちあきなおみの “喝采” とかも入ってます。冬の歌ですね。そしてはじめての失恋ソング。いやー 歌うのムズかしかったわ。

4曲目…きました、毛皮ズ初のハードコアパンク(!)「非・生産的人間」なんとブラストビートです。ディスチャージとかフリクションとか、あとブラックフラッグとかの 80’s USハードコアに感化されております。去年の夏前って、オールディーズ聴きながらなぜかハードコアも同時に聴きまくってました。その影響で出来た曲。歌詞がヤバいのでおそらく掲載できません。この曲をうちのボスに聴かせる時、「たぶんボツにされるンだろなー」とあきらめていたら、爆笑して「カッコいいーー!!!!」って言われました。メイン・ボーカル(いや、『THROAT』もしくは『VOX』と表記すべきか)を私と富士山さん、あいのてを越川クンが担当。ここらへんはあきらかにマキシマム・ザ・ホルモンの影響。

そして「ジャーニー」
越川クンにはこの当時本当にキツくあたりました。「ギターを弾くな」とか「もう、違うバンドやれ」とか「お前がいるなら、僕が毛皮ズを抜ける」とか。そんなある日夕方、だったなアレは。僕のとこに革ジャンにでっかいリュック、リュックからは裸のギターがニョキッっと突き出しているという異様な出で立ちで越川クンが現れ、「どこいくの?」と聞いたら「自分探し。」とスィーツ(笑)な返答をされ、それがちょうどこの歌詞を書き終えた瞬間だったので「ねーねー 『旅』って英語でなんつーの」と聞いたトコロ、「ジャーニー。」と答えたので、それをタイトルにしました。極限まで シンプルな、ただただリズムを刻むだけのアレンジ。しかしこの4人だからこそ可能なアレンジであります(だってもともとこの曲は “晩年”ってタイトルの、別の歌詞のフォークソングになる予定だったんだもの)

そして最後は我々の十八番『ゴキゲンなロックンロール』、てヤツです。
「ライデイン(愛と笑いのロード)」
フェイセス風のロックンロール。超ロン・ウッドなスライド・ギターは、な・なんと私!いい仕事しました。雷がゴロゴロ鳴ってた日に、家で越川クンとアタマのリフを作ったので、ちゃんと イントロに雷入れました。このアルバムでは唯一の、ノロイ・トラックスのペンによるナンバー。アウトロに越川クンのブルースハープが入っているのですが、暴走族の直管コールにしか聞こえません。まぁ ジャケットのイメージに合うっちゃあ合う。歌詞はツアー中にツアーの曲のつもりで書きました。

まさしくミニアルバムでしかありえない節操のなさ。富士山富士夫をして「これ作った人、フツーに精神分裂症やね。」と言わしめた悪魔のミニ・アルバム。その名も『Faust C.D.』

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